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SMALL BUSINESS DD

小規模企業の財務DDは、
なぜ大企業と調べ方が違うのか

決算書の数字だけでなく、その数字を支える組織、人、取引、管理体制まで確認します。

小規模企業では、管理部門が整っておらず、経営者個人や少数の従業員に、取引、判断、業務が集中していることがあります。決算書も、主に税務申告や金融機関への提出のために作成され、会社の経済的な実態が十分に表れていない場合があります。

そのため、決算書の数値がどのように成り立っているのか、買収後も同じ状態を維持できるのかまで確認する必要があります。

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小規模だから、買収後の影響も小さいとは限りません

買収価格が比較的小さくても、買収後に生じる負担は小さいとは限りません。

管理担当者の採用、外部委託、システムの導入、回収が難しい売掛金や売れない在庫への対応、想定していなかった資金負担などが生じれば、買収後に残る利益や必要となる資金は大きく変わります。

会社の規模ではなく、発見された事項が買い手の経営や資金繰りに与える影響を基準に考えます。

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小規模企業に多い4つの特徴

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管理部門がない、または特定の人に集中している

小規模企業では、経理、人事、総務、契約管理、資金管理などを、経営者や一人の担当者がまとめて行っていることがあります。

専任の経理担当者がおらず、日々の記帳や決算を外部の会計事務所へ任せている会社もあります。この場合、決算書は作成されていても、月次の損益や資金繰りを社内で把握する仕組みが整っているとは限りません。

これまで経営者が担ってきた管理業務を、買収後は別の人が引き継がなければならないこともあります。現在の役員報酬を調整するだけでなく、後任者の採用、外部委託、システムの導入など、買収後の管理体制に必要な費用まで考える必要があります。

02

経営者個人と会社の関係が深い

経営者個人が会社へ資金を貸している、事業で使用する不動産を所有している、借入金を個人保証している、家族へ報酬を支払っているといった場合があります。

主要な取引先との関係や営業活動が、会社の仕組みではなく、経営者個人の信用や人間関係によって成り立っていることもあります。

決算書に計上されている資産や利益を見るだけでなく、買収後も会社に残るものと、経営者の退任によって失われる可能性があるものを分けて考える必要があります。

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資料や管理の仕組みが十分に整っていない

月次決算、資金繰り表、部門別損益、売掛金や買掛金の明細、在庫管理表、固定資産台帳、契約書などが作成されていないことがあります。資料があっても、長期間更新されていない場合があります。

資料の有無や更新状況を確認し、利用できる資料の範囲を踏まえて調査します。

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取引・人材・業務が一部に集中している

売上が少数の取引先に依存している、特定の仕入先との関係が欠かせない、重要な資格や技術を一人の従業員だけが持っているといった場合があります。

経営者や一部の従業員だけが業務の進め方を知っており、手順やノウハウが文書化されていないこともあります。

現在は利益が出ていても、主要な取引先、重要な従業員、資格、技術、業務上のノウハウを引き継げなければ、買収後も同じ利益が続くとは限りません。

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税務申告のための決算書を、M&Aの視点で見直します

上場企業の決算書では、投資家への情報提供を目的として、一定の会計基準に従った評価や見積りが求められます。

一方、小規模企業では、税務申告や金融機関への提出を中心に決算書が作成されていることがあります。税金の計算には対応していても、M&Aの判断に必要な資産の実際の価値や将来の負担が、決算書へ十分に反映されているとは限りません。

決算書上の状態M&Aで確認すること
長期間売れていない在庫が、取得時の金額に近い金額で計上されている実際に販売・利用できる在庫か
回収が難しい売掛金に、回収不能の可能性が十分に反映されていない実際に回収できる債権か
退職金や賞与など、将来の負担が十分に表れていない買収後に支払いが必要となるか
投資有価証券の帳簿上の金額と、現在の価値に差がある現在の価値と売却可能性はどうか

これらは、直ちに会計処理の誤りや粉飾を意味するものではありません。税務申告のための処理と、M&Aで必要となる判断では、目的が異なるためです。

M&Aでは、税務上の帳簿価額だけでなく、その資産に実際の価値があるか、負債や将来の負担が適切に表れているかという観点から見直します。

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小規模企業の特徴があること自体を問題とは考えません

管理部門がないこと、資料が不足していること、経営者への依存が大きいことは、小規模企業では珍しくありません。それだけで会社に問題があるとは判断しません。

重要なのは、その状態を買収後も維持できるのか、買い手が引き継げるのか、補うためにどの程度の人員、費用、資金が必要になるのかです。

現在のまま引き継げる事項、買収価格や契約条件で対応する事項、買収後に改善する事項を分けて考えます。

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決算書の数字を、買収後の実態に置き換えて考えます

小規模企業の財務DDでは、会社の規模に合わせて調査を簡単にするのではなく、決算書の数字と会社の実態を結びつけて確認することが重要です。

現在の利益に、経営者が担っている業務の費用が十分に含まれていなければ、買収後に人件費や外注費が増える可能性があります。会社が使用している資産や取引先との関係も、経営者の退任後にそのまま引き継げるとは限りません。

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買収後に
残る利益

02

実際に引き継ぐ
資産・負債

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買収後に
必要となる資金

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資料と実際の状況を照らし合わせます

資料だけでは分からない内容については、質問やヒアリングも行い、決算書の数値と実際の業務や資金の動きを照らし合わせます。